本研究ファームでは、分析化学をはじめとする工学的手法を用いて、エマルションや食品などの複雑な系・試料中の成分の「見える化」を実現する。エマルションは、水と油のように互いに混ざり合わない一方の液体が他方に微小な液滴として分散した系であり、化粧品やインク、塗料、食品、医薬品など幅広い製品に用いられている。複雑な系であるエマルションを精度よく測ることで、品質の良いエマルションの開発、品質管理・品質保証に貢献する。また、炊飯米の多様な香り成分のリアルタイム／一斉分析により、人の嗜好に合う香りを有する米の品種や炊飯条件などを提示する。さらに喫食時の人の呼気分析の結果などを組み合わせることで、人のウェルビーイング（身体的・精神的に良好な状態）の維持・向上に向けた研究に取り組む。主たるテーマとして、複雑な系・試料の高感度・高選択的分析のための質量分析法を開発し、様々な分野の研究者とともに食品・化粧品・医療分野などへの応用展開をめざす。

医学系部門・講師 奥野貴士
新潟大学医歯学総合病院・総合周産期母子医療センター・教授 西島浩二
福井県農業試験場 品種開発研究部・研究員 米田考志
工学系部門物理工学講座・教授 古閑義之